2023/12/04
K氏のご紹介で、あきた玉響の会の重鎮、F氏宅に訪問して参りました。
特に重鎮を狙って会いに行ったと言うわけではなくw、K氏と玉響の会の話題になったときにそういえばダンディーな帽子を被った方がいた、と話したところ、F氏に違いないとなってじゃあ紹介しよう、とK氏のお力添えでお会いできることとなった次第。
お住まいは昔の街道沿いで、元は長屋だったのでしょう、敷地の奥にある蔵をリスニングルームにされています。伝説と化してる一ノ関のベイシーや、秋田のジャズ喫茶のロンドも蔵を改装した部屋で、やはり蔵とオーディオの相性は最高です。高い天井で適度に響き、厚い土壁で適度に低域を吸い、遮音も完璧。弱点は寒いところでしょうかw
最近はファイル再生をやっておられない方を訪問する機会が多いので、試聴に合う音源をCD-Rに焼いて持参する機会が多くなってます。CD-Rはそのまま差し上げておりますので、下手な音源は選べないな、と少しお相手の方に合わせるような選曲をするのですが、今回、ロックが好きな方と事前にK氏から伺っていたので、少しロックな感じの選曲を心がけました。
心がけたものの、別に苦手というわけではありませんが残念ながら私のライブラリにはちゃんとしたロックがビートルズとイーグルス、ヴァンヘイレン、デュランデュランくらいしかありません。なのでロックは気にせず、私はロックと言えばなんとなくイケイケなイメージがあるので、とにかくイケイケな感じで、しかも試聴にちょうどいい感じの、レンジが広く、音色が多く、綺麗な音場感、厚みやアタック感、スピード感で魅せたりし、かつ聴き慣れている音源を選びました。ヴィッキー・スー・ロビンソン、チャカ・カーン、ゴーゴーペンギン、↓の記事のゴーストライダーなどで、クラシックはベートーヴェンのSym.1-1(朝比奈隆EXTON盤)の一曲だけです。
だがしかし、いざ蓋を開けてみると、F氏はロックがメインなものの、有名なものや質が良いアナログ盤を幅広く聴くといったスタイルで、普通にクラシックもよく聴かれるので、わざわざイケイケな曲を選ぶ必要はありませんでしたw F氏は「今日はなんだかやけにイケイケな奴が来たなあ」なんて思われてたことでしょうw

↑一部です
F氏は特にアナログのオリジナル盤や海外盤、プレスの違いによる表現の違いに精通しており、膨大な数のLP盤が壁を覆っておりました。オーディオシステムもそれに合わせた往年の名機で、JBLのPA用のホーンシステムに、自作のプリと300Bのアンプ、サブでオンケンのシステムもありました。

↑バックロードホーンは貰い物、ヤマハのNS-xxxxは修理品だそうです。鳴らしてはいません。
さて、音の方ですが、やはりホーンらしさを決定づける特徴として中高音が強めなのはありましたが、その感じがほとんどわからないレベルでバランスが良いです。なのでクラシックも自然に厚く堂々と鳴り、かと言ってジャズ寄りの姿勢も崩さずカッコよく鳴ります。なんと言ってもフロアタムのバシバシ感が素晴らしい。ハイスピードな低域に支えられて異次元の爽快感ですね。JBL4560はサイズがそこまでないので、下は40Hzと言ったところでしょうか? もしかしたらレスポジ後ろの鉄製の扉のおかげで少し増強されてるかもしれません。
実は、この4560と2220の低域は玉響の会の会合で使っていたので、このシステムは1/3くらい既に聴いていた物だったのですが、以前とは全然バランスが違います。聞くと
あの時のシステムはプリに他の方のラインアンプを用いていて特別仕様だったとのことでした。個人的にはやっぱりこの部屋で調整されたこのシステムの方が段違いに好きですね。
衝撃的だったのは、真空管マイクで生録されたと言うジャズの音源でした。
私はジャズはクラシックに比べると割と適当に聴いてるのですが、一応、ニューヨークとモントリオールのジャズバーで本物の音を聴いたことがありました。その生録音源をかけると、本当にジャズバーで鳴ってる音そのものです。
これは凄いなと、少し考察してみましたが、マイクから再生機器まで過渡応答の優れた物で揃っていて、さらに響き方が演奏会場とオーディオルームとマッチしていることで、あそこまでのリアリティを出しているのかなと。
音源をお借りしたので家でも鳴らしてみましたが、ホーンはLE85が少し足を引っ張っている感じがあり、メインはf特をいじれば少し近い感じにはなりますが、やはりジャズバーで鳴っている感じとはほど遠いです。ラインアレイはメインほどではありませんが意外と善戦していて、低域のハリはないものの空気感は出てます。
◼️ここにあったコピーの画像ですが、コピーNGだったらしく廃棄しました。
私が配るとか言う意図も全くなく(と言うかそんな相手がいない)、てっきりフリーの音源かと思い普通にもっとあった方がいいだろうと余分に作ってF氏に全部お返ししようと思ってたんですが、どうも違ったようですw
ホーンの改良点が見つかったのは大きな収穫でした。ウッドホーンは買ったばかりで買い替える気にはならないので1インチドライバー縛りですね。2420か現代のドライバーでもありかと思ってます。ツイーターは今のFostexで大丈夫そうな感じがします。
話戻りますが、F氏は玉響の会でのオシャレな帽子と、渋いシステムと音楽趣味からすごくダンディーな方なのかなと思っておりましたが、けっこう気さくでお話しも面白く、少し長居をしてしまいました。次は是非ともうちのシステムを聴きに来ていただきたいです。
今回は本当にありがとうございました。
※追記
アナログ専門の方に連続で訪問していてやっぱり、アナログやったりしないの?なんて話になったりしますが、今タブレットでこの文章を書いていて、この中で音源選びから音量、システムの切り替えがワンボタンでできてしまってるので、もはやこの利便性からは離れられませんね…。
それに音楽の聴き方として、私は演奏家を聴き比べると言うのはもうやらなくなったので、マイナーな作曲家の音源があまりないアナログでは、好きな音楽も聴けないと言う根本的かつ致命的な問題があります。『クラシック音楽作品名辞典』と言う、普通の人は「こんなんなんのために使うの?」となるのがお約束の辞典がありますが、これに載っていて音源化されているもののうち、アナログ盤でカバーできるのはおそらく40%ほどでしょう。そのうちデジタル化されていない物は10%以下と言うレベルですので、アナログ盤をこれから買うにはデメリットが多すぎる感じです。
アンプに関しては、これも連続でアンプ自作派の方に訪問させてもらっていて、やってみない?という誘いwを受けるのですが、現状もうちょっとスピーカーをやってからになりそうですね。スピーカーはけっこう輸入品頼りなところもあるので、時世的にはアンプをやった方が経済的かと思われ、やりたいとは思ってますが、結局、DSPとセットになったhypexのアンプで固めてしまってる現状でどこから替えるかというところで迷いが出てしまいますね〜……