2023/02/16
タイムアライメントの重要性
メイン(LS1/5/2A)と、ホーン15インチダブルの調整を完了しました。タイムアライメントの調整はホントにガラッと変わりますね。クロスオーバー周波数やスロープなどは全くいじっていないのにタイミングを合わせるだけで本当に別物みたいに変わります。これ言うと自作スピーカー界から批判が来そうですけど、タイムアライメントと言うパラメーターをまるで考えない3way以上のスピーカーは、スピーカーとして未完成なのではないかとすら思います。
もっとも、うちのホーン&15インチダブルはホーンと15インチの間が1m近く開いていてタイミングのズレが激しいと言うのもありますし、さらに、低域に集中してクロスオーバーを設定していると言うのもあります。低域になるほど群遅延は増えますので、うちは30Hz/100Hz/500Hz/10000Hzと低めな位置にクロスオーバーが集中していて、個々のズレが元々最悪なんですね。
無論の事、遅延を含めそのスピーカーの個性となっている場合も多々ありますので、合っていれば良いと言う事では全く無いのですが、少しも気にしないで「これが完成体だ」としてしまうのはちょっともったいない感じがします。別の面を見てあげて欲しい感じでしょうか。
まあ、現実問題として、よくオーディオ趣味を揶揄する文句として真っ先に出てくるのは「老人は高音が聴こえないからムダ」といった話で、一般の人たちはオーディオ機器の評価軸が周波数特性だけだと思っているフシがあるので、位相特性に影響するタイムアライメントと言う概念は、上級者向けなのかもしれません。
フルレンジですとそう言うことはほとんど考える必要がありませんし、日本のフルレンジは質が良いので、議論として見逃されてる傾向があるのかもしれませんね。海外はどうか知りませんがw
それに現代に至っても、タイムアライメントを直すと言う行為は、物理的にユニットの位置関係をズラすと言う方法以外となると、全段にDSPを噛ませる必要があり、メーカー製のアンプを使って完成品のスピーカーを買うのが主流なピュアオーディオ界では、むしろ邪道となってしまってます。ほぼアキュフェーズのDF-65を導入した人だけが到達できる極致、と言った感じですw

作業画面。(このキャプチャのために適当に保存データをロードしましたので、実際の計測結果とは違ってますw)
ディスプレイを大きいものに変えたのでだいぶやりやすくなりました。
今回の調整では、タイムアライメントを直したのち、欲が出てクロスオーバー周波数もやっぱり変えてみました。オーディオ関係のブログを回っていたとき、乾いた低音を得るために15インチダブルを100Hzで分けると言うことをしておられる大ベテランの方がおられ、試してみたくなり以前は80〜120Hzのあたりで重なりながら緩くクロスしていたのですが、思い切って100Hzを12dB/octで切ってみました。元々 の低音もバシッバシッっと硬くハリのある低音ではあったのですが、乾いていると言う感じは薄く、よくビンテージ系のシステムで聴く、軽くなく重くなく乾いた低音と言うのは出せないでいました。
100Hzを12dBで合わせ、最初ちょっと軽い低音になってしまい失敗したかと思いましたが、ゲインを上げると少し乾いた感じになり、でもやはり重い感じがあるので今度は少しゲインを下げたところドンピシャでした。「軽い」と「重い」の中間に「乾いた」、パシッパシッと言う低音がある感じですね。他の因子も絡んでるのでしょうけど、かなりシビアな位置にあるのだなと言う発見がありました。
メインはクラシックを聴くので重めの低音にしていて、ホーンと15インチダブルは乾いた低音と、うるさめの中高域にしジャズ特化にしました。かなり良い感じになりました。
YAMAHA NS-1 classicsの可変アッテネーターも計測しました。
自分で心地いいレベルに調整し、その抵抗を測ります。

前回の投稿の図のAの抵抗値が5.0Ω、Bが7.1Ωでした。7.1の抵抗器は売ってないので3.9と3.3を直列で繋ぎます。
まだモノを注文しているところなので実装はしておりません。以前、別のスピーカーで古い安い可変アッテネーターを新しいFOSTEXの可変アッテネーターに変えたとき、同じ可変なのに音があきらかに新鮮になったので、固定にすれば相当なものになるのではないかと期待しております。
それにしても、なんだか計測好きの理系オーディオマニアみたいになってますね。
掛け算の7の段すら怪しい超絶文系オーディオマニアなのにw