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F氏宅訪問

K氏のご紹介で、あきた玉響の会の重鎮、F氏宅に訪問して参りました。
特に重鎮を狙って会いに行ったと言うわけではなくw、K氏と玉響の会の話題になったときにそういえばダンディーな帽子を被った方がいた、と話したところ、F氏に違いないとなってじゃあ紹介しよう、とK氏のお力添えでお会いできることとなった次第。
お住まいは昔の街道沿いで、元は長屋だったのでしょう、敷地の奥にある蔵をリスニングルームにされています。伝説と化してる一ノ関のベイシーや、秋田のジャズ喫茶のロンドも蔵を改装した部屋で、やはり蔵とオーディオの相性は最高です。高い天井で適度に響き、厚い土壁で適度に低域を吸い、遮音も完璧。弱点は寒いところでしょうかw

最近はファイル再生をやっておられない方を訪問する機会が多いので、試聴に合う音源をCD-Rに焼いて持参する機会が多くなってます。CD-Rはそのまま差し上げておりますので、下手な音源は選べないな、と少しお相手の方に合わせるような選曲をするのですが、今回、ロックが好きな方と事前にK氏から伺っていたので、少しロックな感じの選曲を心がけました。
心がけたものの、別に苦手というわけではありませんが残念ながら私のライブラリにはちゃんとしたロックがビートルズとイーグルス、ヴァンヘイレン、デュランデュランくらいしかありません。なのでロックは気にせず、私はロックと言えばなんとなくイケイケなイメージがあるので、とにかくイケイケな感じで、しかも試聴にちょうどいい感じの、レンジが広く、音色が多く、綺麗な音場感、厚みやアタック感、スピード感で魅せたりし、かつ聴き慣れている音源を選びました。ヴィッキー・スー・ロビンソン、チャカ・カーン、ゴーゴーペンギン、↓の記事のゴーストライダーなどで、クラシックはベートーヴェンのSym.1-1(朝比奈隆EXTON盤)の一曲だけです。
だがしかし、いざ蓋を開けてみると、F氏はロックがメインなものの、有名なものや質が良いアナログ盤を幅広く聴くといったスタイルで、普通にクラシックもよく聴かれるので、わざわざイケイケな曲を選ぶ必要はありませんでしたw F氏は「今日はなんだかやけにイケイケな奴が来たなあ」なんて思われてたことでしょうw


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↑一部です

F氏は特にアナログのオリジナル盤や海外盤、プレスの違いによる表現の違いに精通しており、膨大な数のLP盤が壁を覆っておりました。オーディオシステムもそれに合わせた往年の名機で、JBLのPA用のホーンシステムに、自作のプリと300Bのアンプ、サブでオンケンのシステムもありました。


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↑バックロードホーンは貰い物、ヤマハのNS-xxxxは修理品だそうです。鳴らしてはいません。

さて、音の方ですが、やはりホーンらしさを決定づける特徴として中高音が強めなのはありましたが、その感じがほとんどわからないレベルでバランスが良いです。なのでクラシックも自然に厚く堂々と鳴り、かと言ってジャズ寄りの姿勢も崩さずカッコよく鳴ります。なんと言ってもフロアタムのバシバシ感が素晴らしい。ハイスピードな低域に支えられて異次元の爽快感ですね。JBL4560はサイズがそこまでないので、下は40Hzと言ったところでしょうか? もしかしたらレスポジ後ろの鉄製の扉のおかげで少し増強されてるかもしれません。
実は、この4560と2220の低域は玉響の会の会合で使っていたので、このシステムは1/3くらい既に聴いていた物だったのですが、以前とは全然バランスが違います。聞くとあの時のシステムはプリに他の方のラインアンプを用いていて特別仕様だったとのことでした。個人的にはやっぱりこの部屋で調整されたこのシステムの方が段違いに好きですね。

衝撃的だったのは、真空管マイクで生録されたと言うジャズの音源でした。
私はジャズはクラシックに比べると割と適当に聴いてるのですが、一応、ニューヨークとモントリオールのジャズバーで本物の音を聴いたことがありました。その生録音源をかけると、本当にジャズバーで鳴ってる音そのものです。

これは凄いなと、少し考察してみましたが、マイクから再生機器まで過渡応答の優れた物で揃っていて、さらに響き方が演奏会場とオーディオルームとマッチしていることで、あそこまでのリアリティを出しているのかなと。
音源をお借りしたので家でも鳴らしてみましたが、ホーンはLE85が少し足を引っ張っている感じがあり、メインはf特をいじれば少し近い感じにはなりますが、やはりジャズバーで鳴っている感じとはほど遠いです。ラインアレイはメインほどではありませんが意外と善戦していて、低域のハリはないものの空気感は出てます。

◼️ここにあったコピーの画像ですが、コピーNGだったらしく廃棄しました。
私が配るとか言う意図も全くなく(と言うかそんな相手がいない)、てっきりフリーの音源かと思い普通にもっとあった方がいいだろうと余分に作ってF氏に全部お返ししようと思ってたんですが、どうも違ったようですw

ホーンの改良点が見つかったのは大きな収穫でした。ウッドホーンは買ったばかりで買い替える気にはならないので1インチドライバー縛りですね。2420か現代のドライバーでもありかと思ってます。ツイーターは今のFostexで大丈夫そうな感じがします。

話戻りますが、F氏は玉響の会でのオシャレな帽子と、渋いシステムと音楽趣味からすごくダンディーな方なのかなと思っておりましたが、けっこう気さくでお話しも面白く、少し長居をしてしまいました。次は是非ともうちのシステムを聴きに来ていただきたいです。
今回は本当にありがとうございました。


※追記
アナログ専門の方に連続で訪問していてやっぱり、アナログやったりしないの?なんて話になったりしますが、今タブレットでこの文章を書いていて、この中で音源選びから音量、システムの切り替えがワンボタンでできてしまってるので、もはやこの利便性からは離れられませんね…。
それに音楽の聴き方として、私は演奏家を聴き比べると言うのはもうやらなくなったので、マイナーな作曲家の音源があまりないアナログでは、好きな音楽も聴けないと言う根本的かつ致命的な問題があります。『クラシック音楽作品名辞典』と言う、普通の人は「こんなんなんのために使うの?」となるのがお約束の辞典がありますが、これに載っていて音源化されているもののうち、アナログ盤でカバーできるのはおそらく40%ほどでしょう。そのうちデジタル化されていない物は10%以下と言うレベルですので、アナログ盤をこれから買うにはデメリットが多すぎる感じです。
アンプに関しては、これも連続でアンプ自作派の方に訪問させてもらっていて、やってみない?という誘いwを受けるのですが、現状もうちょっとスピーカーをやってからになりそうですね。スピーカーはけっこう輸入品頼りなところもあるので、時世的にはアンプをやった方が経済的かと思われ、やりたいとは思ってますが、結局、DSPとセットになったhypexのアンプで固めてしまってる現状でどこから替えるかというところで迷いが出てしまいますね〜……

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K氏来訪

先週の私からの訪問に続き、K氏に来ていただきました。いわゆる相互オフみたいな感じですが、オンライン(ネット)で知り合ったワケではないので、オフライン会の略であるオフ会には当たらなく、ワードのチョイスが難しいところです。記事のカテゴリはオフ会にしちゃってます。オーディオの趣味は特にオフ会ではないオフ会みたいなのが多い気がしますw

K氏はかなり柔軟なオーディオの探求者で、私のシステムのデジタルの音が良ければアナログを捨ててデジタルに移ることもあり得るとおっしゃってました。ですが私はK氏のシステムを聴いて、ウチとの音の違いから、変節することはそうそうないだろうと予想しておりました。これは音に対する考え方、思想が全く違うから、と言う訳ではありません。むしろ、K氏と私はかなり近い思想を持っていると思います。
K氏は私のブログの記事をよく読んでくださっていて、氏が以前おっしゃっていた「本物の音は誰にもわからない」と言うお話と、私のブログでの言説とのつながりをご指摘され、同じ考えだとおっしゃいました。おそらくこの辺り記事だと思うのですが、要約すると「音」が出てから「耳」にたどり着くまで、あらゆる次元でそれぞれ本物があり、全ての人が各々の本物を目指していると言うことで、例えば、音が発生した時点のものを本物と呼ぶのか、音が観客に届いた時のものを本物と呼ぶか、音がマイクに到達した時のものを本物と呼ぶか、音が収録された時点で本物と呼ぶか、録音され編集されたものか、もしくは遡って、音楽が表現された瞬間のものか、作曲されたときの理念なのか、あるいは、耳に届いた時点なのか、外耳道を伝わり鼓膜に届いた時点、聴神経に届いた時点、脳に認知された時点、認識した時点、感じた時点などなど、音は発生させようと意志された時から、誰かに届くまでに幾層もの次元があり、全ての次元が本物でありながら、どれが正当であるかを絶対的に確かめる術はなく、誰にもわからないものである、と。
K氏のシステムの音も本物に近く、私のシステムもまた別の次元で本物に近くしているので、どちらが良いと言うものではない差があります。本物を志向する上ではかなり実利的なところでもさまざまな考え方があるので、アナログかデジタルかと言うところでも大きく差が出ます。K氏のシステムと私のシステムとを比べ、やはりそう簡単には揺るがない差を私は感じていて、K氏がデジタルに向くことはそうそうなく、逆に私もアナログを始めると言うこともあまりないなと思ってました。(ちなみに私は最終弾のパワーアンプ部で金田式や真空管にするのは全然無しではないとは思ってます。サブウーファーのアンプはさすがにパワーのあるDクラスが良いと思ってますが。)

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やはり今すぐデジタルにしたい!と言う反応ではありませんでしたが、なかなか素晴らしいと言うような反応をいただきました。箱鳴りを嫌がってエンクロージャーを廃したK氏が箱鳴りを作る主犯であるウーハーに興味を持たれていたのは、良いと言う評価の証左かと思います。

K氏のお宅に行った直後、ラインアレイを少し改良していて、今まで壁にベタ付けだった状態を、最上部のネジを緩めにし、側面の接触部にスポンジのテープ(メインのミッドドームの横に貼ってるやつ)を貼ることで壁への影響を少なくしておりました。本当はバネで吊るしたかったのですが、K氏来訪まで調整を済ませられる自信がなかったので、簡単な改造にしてました。
今回、試聴盤の定番であるカンターテ・ドミノをラインアレイで聴いたところ、これも結構良い印象でしたので、さらに改良を進めたいと思います。
バネはバネ係数やら何やらでかなり分かりにくいので、うちのラインアレイの重さくらいまで測れる適当なバネ秤りでも買って使おうかと思ってましたが、安いのはお届け日数が10日とかでしたので、ちょっと素のバネを探す旅(市内中のホームセンターを周る)に出ようかと思います。以前も探したことがあるんですが、種類がない上に在庫も少ないんですよね……


話は変わって、そろそろ以前使っていたウッドホーンの売却を考えているのですが、実は今のウッドホーンはスロートがない状態で買ったため、前のウッドホーンのスロートを流用しておりました。スロートとセットで売らないとあまり良いお値段はつきませんので、スロートを前のウッドホーンに返還すべく、新しく木材ででっち上げました。
ドライバーが3穴で取り付けるタイプで、3穴だとネジを締めるのに干渉しまくるので、しない構造にするのにかなり苦労させられましたw

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こんなん。3穴を取り付けやすい位置の4穴に変換した上で、スロート本体に繋げるやり方になってます。
主な部分はバーチの無垢材です。パープルハートとかもっと硬いのもあったのですが、硬すぎると加工が難しそうなので、安く適当に硬いバーチです。金属製から木製に変わりましたが、音の変化はあんまりわかりませんでしたw

音場型の理想の一つ

DCアンプマニアさんのご紹介で、秋田市の某所にお住まいのオーディオ実験家K氏のお宅にご招待いただきました。
その地域は北東北でも最も歴史ある土地の一つなのですが、一度失われ、菅江真澄なんかが伝説の地ってこの辺じゃね?と目星はつけていたものの、発掘が行われたのは20世紀に入ってからで、市の中心からは少し離れた小高い丘の上です。近くの沼には幻の巨大魚の噂があるとか無いとか……
氏は私より2回り弱ほど歳上の方で、オーディオ歴もそれ以上上なのに、本当に優しくして下さり終始和やかにお話できました。と言うか、今まで直接お会いしたオーディオファンの方で、人格的に問題がありそうな方って一人もなかった気がしますね。オフ会で嫌な思いをしたことが一度もないです。今回はその中でも特にお優しい方だった感じで、なんか学校の教頭先生を思わせる佇まいがありましたw (授業を受けもつ一般教師のように細かく物事を教えてくれるのではなく、大事なことだけを気づかせてくれるような感じ)

で、肝心のオーディオなんですが、なかなか衝撃的でした。正直、スピーカーを作る上での経験値の獲得量はこのあいだ行った東京インターナショナルオーディオショーよりよっぽど大きかったですね。
エンクロージャー無し、吊るした裸のローサー & 38cmウーハー+オンケンのホーンツイーター、サブウーファーと言う構成のスピーカーと、もともと居間だったと思しき天井の高い広いお部屋。これだけでどう言う風な音か、想像を付く方も中にはいるかもしれません。私もそれなりにスピーカーは自作して来ているので聴く直前まで、あーなるほど、こんな感じかなと予測がありました。いわゆる音場型で、下は出てないけど雰囲気はしっかり出せるタイプか、と。

いきなり話が変わります。最近はほぼ戻っているのですが、昔から私はよく不眠により睡眠の時間帯がズレて、周りが騒がしい時間帯にようやく寝はじめるときがあったりして、騒音に悩まされる事が多くありました。そこで騒音対策にPCで雨の音を流しているのですが、これが自然に低域から高域まで気になる騒音を雨音に埋もれさせる効果があり、ずっとそれに頼っていて、もはや騒音など無い状態でもこれなしには寝られない体になってしまっております。なるべく耳障りの良い雨音にするため、AVアンプでサラウンドで鳴らしたりしていたのですが、最終的に辿り着いた鳴らし方がユニットポン置き+サブウーファーでした。
ポン置きにすると、まず低域は無くなってしまうのですが、指向性がないことで部屋全体で響く感覚があります。反射により減衰しやすい最高域は刺々しさがなくなり、背面圧が無いことで振動板はよく動くので、優しいのに解像度があるという感じになります。以前にも、タンバンのW8 1808を↓このように半ポン置きで置いていたことがあったり、ポン置きではないのですが、今使ってるラインアレイは背面開放型で、そのサイドにも適当に背面を処理したユニットがついていて、低域もユニットが下向きだったり、音場型スピーカーの鳴り方には多少の心得がありました。

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下のやつ

実際、聴いてみると、やはり下は薄めなものの雰囲気はしっかり出ています。しかし、それだけではありません。歌声が入ると特に顕著になる生々しさ、実在感があります。推測なのですが、これはK氏が自作された全段無帰還のDCアンプ、そしてバネで吊るすことで共振を完全に廃したバッフルすらない構造がなければ、ここまでの実在感は出ないかと思われます。背面にある板と、ホーンのスーパーツイーターの加減も重要かと思います。背面開放型における後ろにある板、壁の重要性は、私もラインアレイで経験していて、これは定位感を左右し、それに加えホーンの指向性のあるスーパーツイーターが加わって雰囲気と音像を両立させているのではないかと思います。
計測のマイクなども持って来ていたので少し計測してみたのですが、以前使っていたPCが調子悪く、急遽、親のPCを持って来ていたせいか、何か設定がおかしいみたいで、計測結果が若干定まらない状態でした。一応、測れてはいたのですが正確かどうかわからない、と言う感じ。また次の機会にもう少しちゃんと測りたいですね。

と言うか、写真を完全に撮り忘れてしまい、衝撃的なスピーカーの姿をブログに載せられないのが残念です。
代わりにうちの物置き兼寝室のポン置きスピーカーを載せときます。

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K氏のお宅から帰る途で、私のラインアレイが目指す方向はコレだな、と言う結論を得ました。
ラインアレイは以前に比べるとだいぶ良い感じに鳴ってはいるものの、方向性を見失いつつあってまた聴く機会が減っておりました。家に帰ったあと、Kさんがリファレンスにしてらっしゃる美空ひばりの『悲しい酒』をDL購入し、聴いてみましたが、及第点に達しているのはメインだけな感じで、ラインアレイなんかは、美空ひばりが平たくなって壁一面に張り付いてるような音になってしまってますw 同じくリファレンスにしてらっしゃるブーレーズ指揮のストラヴィンスキーの火の鳥は、有名なシカゴSO盤ではなくNYP盤で、持っていなかった上DL販売もないので中古のCDをネット購入。もう一枚のリファレンス、シェリングのバッハの無伴奏Vn.ソナタとパルティータは持っていたので聴きました。この曲に関しては自分のシステムの方が好きですね。個人的にあらゆるジャンルが得意な万能のスピーカーは存在しないと思ってますので、やはり得意不得意が出ると思いますが、この曲はK氏のシステムで不得意ということはないです。ただ個人的にシェリングの外連味のないヴァイオリンにはモニターライクなうちの方があってると思ってるだけですね。
今回の訪問でまた課題ができました。まず、K氏がやられてるバネによるユニットの吊り下げ、これが最初でしょうか。スーパーツイーターに関しては、ラインアレイに入れるのは少しデメリットもありますので次ですね。

DCアンプマニアさん、そしてKさん、この度は貴重な体験をさせていただき本当にありがとうございました。

2023年TIASの旅

この歳で夜行バスはもうキツいですね。帰りは連休の最終日でしたので飛行機も夜行バスもバカ高くて、ケチって少しでも安い夜行バスにしたのですが、独立シートでもキツい。キツさは飛行機の国際線のエコノミーと比べるとまあどっこいどっこいってところですが、そっちは上のビジネスクラスを選ぶとなると4倍のお金を払わされますが、夜行バスは飛行機や新幹線に変えてもせいぜい1.5倍ってところですので、ケチらない方が賢いでしょう。
ただ私の場合、鼻詰まりがある時に飛行機に乗ると飛行機頭痛という地獄が出てきます。今回、行きの飛行機でなりかけたので、帰りをバスにして正解だったのかもしれません。飛行機頭痛は副鼻腔がなんちゃらかんちゃらで鼻詰まりで空気圧の調整ができなくなると起こり、目の奥をスプーンで掘り起こしてるような死ぬほどの痛みがきます。鼻詰まりを軽減するためにスーコースーコー必死に鼻息をしてた私は、周りの人から変な人だと思われてたことでしょう。
行楽日和な天気のせいか人出も多く、久々に都会に出た私には、駅での移動もなかなかハードでしたねw
次は車がいいです。


さて、TIASですが、なかなか良い経験になりました。また来年も行きたい!という感じにはなりませんでしたが、いろいろ掴めたので、またいずれ行くことにはなるかもしれません。
毎年行く価値が出てくるのはオーディオ業界に知り合いが多くできてからでしょう。今回はkenbeさんについて行った形でしたので、アキュフェーズの方のお話を聞けましたが、やっぱり懇意の関係者の方から直接お話を聞くのが一番収穫がある気がします。ブースで鳴っている音を聴いて何かを掴めるという方はよほどこういうイベントに慣れてる方では無いかと推測します。まず多くのブースが部屋のせいなのか壁のせいなのか、低音が雑に盛り上がってしまっていて、本来の音が出せてない感じです。芯があり重みもある低音というのはあまり聴けませんでした。ちゃんとしたポジションに座るのも待機してないといけないので、音場や定位感に関する評価も何とも言えません。特定の席だけ1分で交代とか言う感じにできれば良さそうです。
音源もうまいこと聴き慣れてる曲がかかればすぐ機器の能力が分かりますが、なかなかそうも行きませんね。いつも思うのはオーディオマニアが好きなクラシックとクラシック好きが好きなクラシックは乖離がある気がするんですよね。なのでクラシック好きとしては試聴会では敢えて下手なクラシックをかけなくてもポップスとか、なんなら打ち込み系のバッカンバッカンなってるやつの方が機器の性能がよくわかるので断然嬉しいですね。ツイッターなんかでも業界の方がクラシックやジャズばっか鳴らしてる日本のオーディオ業界に苦言を呈していて、多くのツイッタラーが賛同してましたが、私もそれには賛成します。

個々のブランドについてですが、適当な試聴位置でも一番聴ける音で鳴っていたのはヤマハのブースだった気がします。調音パネルのACP2を何枚も使っていて、そのおかげかなと思ったのですが、NS-5000ではいい感じなもののNS-2000Aではまあまあという感じで、スピーカー自体にも何か理由がありそうな気がします。


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LINNの新しいフラグシップスピーカーは興味深いです。4wayで下の2つが完全にサブウーファーユニットでした。あそこまで分厚いゴムエッジのユニットを用いた通常のフロアスタンドスピーカーというのはなかなかないのではないでしょうか。いずれのモデルもダブルウーファーは内蔵アンプでドライブしてますので、最近フラグシップ機でよくあるサブウーファー付きスピーカーのパターンですね。このパターンのスピーカーはなかなかクロスオーバー周波数を公表していないのがもどかしいですね。サブウーファーはピュアじゃないという世間体を気にしてバレないようにしているんでしょうか?w 半パッシブモデルと全アクティブモデルがあるのですが、サブウーファー部のフィルターの違いが気になります。POWER DACシステムとあるのでデジタル処理してるのは確実です。おそらくですが、半パッシブは遅延対策にスロープをなだらかに設定していて、全アクティブは上にディレイを入れてちゃんと合わせているのでしょう。全アクティブの方が低域はスピーディーに感じられそうです。巨大なエンクロージャーを用いず20Hz付近までちゃんと鳴らすには、サブウーファーを使わざるを得ず、サブウーファーの遅延を解消するにはDSPを使わざるを得ないんですね。ですのでDSPとアンプをワンセットにしてしまうのが最終的な答えなんでしょう。それでも半パッシブモデルが存在するのは、あんまりキッチリしすぎるとつまらない音になってしまうからでしょうか。

JBLも小型の2wayアクティブモニターを出展しておりましたが、やはりDSPを入れており低域の再生能力が桁違いです。これにはもう一人ご一緒していたDCアンプマニアさんも驚いておられました。kenbeさんはイコライジングしてるとのことで渋い顔をしておられましたが、個人的にはDSPによるイコライジングはDSPでカットオフを作るのとやってることはあまり変わらないので、ある程度は許容できるのではないかと思ってます。あんまりユニットに無理をさせると歪みが出てくるのですが、アナログでイコライジングするよりはずっと良好になってると思います。

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フューレンのブースでは、オーディオ評論家の麻倉怜士氏と潮晴男氏が2人で作ったレーベルのSACDを実演していて、非常にS/Nの高い明度のある音を鳴らしていたんですが、それに使われていたプレーヤーがアキュフェーズのDP-750で、実はその前に、kenbeさんから所有されてるDP-750のSACDの再生能力をお話しを聞いていたので、これは認めざるを得ない、となってしまいましたね。ピエガやBørresenを擁するようなフューレンが、デザイン面でかなり毛色の違うアキュフェーズのプレーヤーを使うというのは、よほど音への信頼が高いのだなと驚きました。
私も急にSACDプレーヤーが欲しくなったのですが、上の話とも繋がる障害があります。SACDは基本、デジタル出力ができないので、私のように初段からデジタル化しているシステムにはわざわざDA変換されたものをまたAD変換して入れてやらないといけないんです。メーカー独自の伝送システムで送る場合なら大丈夫で、アキュフェーズならHS-LINKというアキュフェーズ同士でしか使えない独自のデジタル伝送ができるのですが、LINNなんかはだいぶ前にディスクプレーヤーを撤退してますので、DP-750とかを買ったあとにLINNのセットが欲しくなった人はかなり悩むでしょうw 私はもうSACDプレーヤーとは決別した上で今のシステムを構築しておりました。
まあ、DSDファイルがあればうちも再生できるので聴くだけなら問題ないのですが、それだと麻倉怜士氏と潮晴男氏が紹介されてたSACDの盤面の塗装による音の違いと言った楽しみ方?には全く参加できないですねw
規格を作ったソニーは早くこの縛りを撤廃してほしいです。

あとはやはり、どこも製品の価格がものすごいことになってます。円安だとどうしようもないんでしょう。こういう時期は、モノが売れないし定評のある機器というのも出てこないので、買ってみたところで話題にもならないし、売る時も値段がつかないし、良いことは無いので大人しくしている方が安全でしょう。逆にみんな買わないおかげでホントの名機が出た時とんでもないプレミア価値がつく可能性もありますが。


翌日は、TIASにも同行していたDCアンプマニアさん宅にお邪魔しました。前回、長野・静岡・kenbeさん宅と旅行に行った際、お誘いをいただいていたのですが、時間がなくてお流れになってしまい、今回叶いました。
伊豆の別荘地とは伺っていたのですが、私のイメージでは別荘地というと高原の森の奥という感じでしたが、森というか山の中に邸宅が並んでいてびっくりしましたw そのおかげか、DCアンプマニアさん邸の中は傾斜を利用した面白い間取りになっていて、オシャレで心地よさそうです。オーディオルームも半地下?ちょい地下?になっていて防音効果が高そうです。固い地面があると低音が抜けなくて部屋の中で跳ね返ってしまう嫌いがありますが、そこもちゃんと処理されているみたいでした。

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DCアンプマニアさんはその名の通りアンプ方面がメインなのですが、主にスピーカーな私は、失礼ながらお先にスピーカーの方から感じたことを述べさせていただきます。
まずオンケンのスピーカーについて、私はホーンスピーカーを自作しているほどなのにほとんど何も知らなくて、金田式アンプの金田明彦氏も使っておられるスピーカーとのことで、木製のホーンの中に砂が詰められてるそうです。↓10月19日の記事でホーンのビリつきにネジ留めで対応してますが、砂を入れとけば良かったのかと後悔しました。(重いと床が抜けそうですが)
私はビンテージ系のホーンで聴いた経験が、ジャズ喫茶ベイシーと、たまゆらの会と、盛岡のオーディオ店と自宅くらいなもんで、いずれもジャズばっかり聴いたものですから、ホーンにはジャズしか合わないというような先入観があったのですが、クラシックも素晴らしいバランスで聴ける音で、覆されました。凄まじいアタック感とよく響く音で、ライブ感がとにかく気持ちいいです。うちはやたらとデッドなのだなとつくづく思い知らされました。試聴にデュランデュランの新しめの曲や、ヴェルディのオテロ(カラヤンVPO)の冒頭も流したのですが、迫力が凄い。
金田明彦氏をとても尊敬してらっしゃる感じなのに、たまゆらの会のスピーカーの音とは若干、方向性が違うのも感じました。DCアンプマニアさんの方が中高域の強調が少なくワイルド感が控えめで、あらゆる音源を破綻なく出せる感じです。
アンプの感想ですが、全く初心者のような感想になるんですが、無帰還シングル300Bですので8W弱でこんなに鳴るのかい、と言うのがまず来ますw うちのメインは上から100W、250W、250W、500W、1000Wで鳴らしてるのにあんなにデッドなのは笑っちゃいますね。
kenbeさんのBHBRに入れたローサーも聴かせていただきました。低音の安定感はこちらの方が上で、サブウーファーとして私も持っていたFOSTEXのCW250Aを繋いでましたが、こんなに綺麗につながるサブウーファーだったかな、と不思議に思いました。部屋のお陰もあると思いますが、もともとの石田式BHBRの低域が上手く鳴っていて、CW250Aの合わせ易い12dB/octの曲線が加わって、あんなに安定感のある低域になったんじゃないかと推測します。スピード感に関してはFOSTEXに引きずられてる感じですが、まずまず良い感じ。オンケンのスーパーツイーターも付いていたのでローサーの高域がどこまで出ているのかはわかりませんでしたが、ハンドメイド感あふれるユニットの造りの割には凄くまともな音が出ていたように思います。さすが高級品です。フルレンジの定位の良さみたいなのは感じられませんでしたが……
人生初のオープンリールデッキも体験しました。スピーカーも音源も聴き慣れないので、あんまり違いというのは実感できませんでしたw

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お昼は修善寺のうなぎと湯葉をご馳走になりました。景色も良くて酒も入って、最高のお昼でした。三島・伊豆の山の形や大きさは秋田には全くない感じなのでホント珍しいですね。あの周辺は自然も豊かで都会も近く、近所のお店も結構栄えてて、秋田の5億倍くらい暮らしやすそうです。
kenbeさん宅にも寄りたかったですが、お世話になりすぎでしたので、速攻で東京に戻って短い時間でしたがもうちょいTIASを見てきました。(LINNとピエガのブースはその時見ました。)

浅草の神谷バーの話を書き忘れましたが、ちょっと長いのでここら辺で。
ホントいい旅でした。kenbeさんとDCアンプマニアさんには是非とも恩返しをしたいので、無理をしてでも秋田に来てほしいですw
DCアンプマニアさんに紹介していただいた秋田のお仲間の方にも是非お会いしたい。このブログをご覧でしたらコメント欄にでもご連絡ください。

たまゆらの会

秋田たまゆらの会と言う真空管アンプや金田式アンプなどのオーディオの集まりが秋田にもあるのですが、私は「秋田で」なんてブログ名を冠しておいて別段、懇意にしていただいてると言う感じではなく、例会開催のハガキが来るので、ちょっとそこに紛れこんで聴くだけ聴いて帰ると言うような参加スタイルを昨年来やってます。
ご年配の方が多いのでなかなか声をかけづらく、個人的に付き合いのあるメンバーはいません。ネットなんかで活動があれば、時間を問わず関われるので参加もしやすいですが、どうも無さそうな感じです。
地域の愛好会というのは、いろいろ噂で聞く感じやっぱりネットだとケンカになりやすいみたいで、どこのサークルをみてもそこまで盛んに情報発信はやってませんね。顔を合わせないでいろいろ言えちゃうって言うのがあるかと思いますが、まあ、ありていに言うとネットリテラシーの問題でしょう。ご年配の方はネットに慣れてない方が多いのでそう言うトラブルを引き起こしやすいと言う面があると思います。それにオーディオファン自体多くないので、すぐ正体が割れてしまい、ネットでの言い合いが即座にリアルでのトラブルに移行しやすいのかと思います。
たまゆらの会には、そう言う風にギスギスした感じと言うのは全く感じないですし、むしろその逆の雰囲気もあるのですが、予防的にネットでは活動してないと言う感じなのかなと。

で、先日その例会に出席しました。
県のコミュニティセンターのホールでやってますので、意外と規模はデカいです。教会の礼拝堂のような空間に2〜30人集まってます。天井は高いのですが寒さ対策の断熱材が貼ってあるので、吸音されホールのような響きが無く、割と家で聴くのに近い音が出る感じでしょうか。ただ場所によってピークが出てる感じがあります。前回も感じたのですが中〜中高域にピークを感じて、アート・ペッパーのサックスがなんかフルートのような細い響き(帯域は違うのでサックスとはわかるのですがテナーサックスともクラリネットとも言えない感じの響き方)になってました。座った場所の問題? でも今回は前回ほどではないし、今回の発表者の方が自作したと言う大型ホーンが素晴らしく、割と抑制が効いたピークで悪くはなく、やや粗野な感じがむしろ良いと言う感じでしたw
後半は埼玉県の彩球オーディオ倶楽部と言う大手っぽいサークルから尖兵のような部隊からの発表があり、こっちはバランスを感じる音になっていたので、もしかすると中高域のピークはたまゆらの会の個性のようなものなのかな、と思いました。ただ耳が慣れただけ?

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曲の選び方が興味深かったですね。埼玉の方々は、Rock You Gently(ハンター)や竹内まりやの告白など、オーディオマニアに人気の曲を出しながら有名どころの歌謡曲や雅楽、クラシックなど出してくるのに対し、秋田のたまゆらの会は趣味に走った選曲がメインで、知らない曲も多く勉強になりました。まあ秋田チームはホームなので好きにやって、アウェイチームは基本を抑えたと言う感じでしょうか。
趣味に走った選曲の方が私は好きなんですが、趣味が合わないと残念な感じになるデメリットが出てくる、と言うのを学びましたねw 私は有名どころはあまり聴かないタチなので、自分のオフ会の選曲にも気をつけなければと自戒しました。

それにしても、たまゆらの会の例会は自作真空管アンプの発表がメインなので、私のようにデジタルで全部やっちゃってる者が参加するのは場違いな感じが否めません。一応、uesugiのステレオ真空管アンプを持っているのですが、球の違いもよくわかってないレベルですので自作なんて滅相もないと言う感じです。以前プロの方と話した時に、私のhypexを立派な自作だとおっしゃいましたが、板から外して箱に収めただけなので、回路図を読める方に言わせたら、そんなことは烏滸がましいにも程があると言う感じですw
一応、ビンテージルックのホーンもやってるので、回路図は読めた方がいいのでしょう。計測方面の知識を入れるのでいっぱいいっぱいになっちゃってるので、遠い道かとは思いますが。

プロフィール

あべ

Author:あべ
DDC:MUTEC MC3+USB
AMP:hypex FA253(x2)+hypex FA502(x2)
SP:RAAL 70-10DAM+VOLT VM527+VOLT BM165.1(x2) / Fostex T90A+Fostex H325+JBL LE85+JBL 2231A+JBL 2231H / Dayton audio ND16FA-6(x8)+Wavecor FR055WA02(x9)/
SW:Dayton Audio LS12-44(2ch)+morel UW1058(x2,mono)
CDP:TEAC PD-H600
HPA:nuforce iconHDP
HP:AKG K601
POWER:KOJO TECHNOLOGYAray MKII

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