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ゆる〜く改造

秋田は、梅雨の前の最後の晴天って感じの天気図で、ちょいとドライブでも行こうかと思ってましたが、なんか秋田とかもう飽きたな……という心情になってしまい、スピーカーの改造をすることにしました。
数日前にツイッターで「長いネジや全ネジで箱を挟んだら硬くなりそう」というアイデアを書いてる方がいまして、そういやうちのスピーカー、ダブルウーファーの真ん中に制振のためにL字アングル貼り付けてたな、と思い出して、この金具を利用して背面から引っ張れないかな、と思いしました。
いろいろやり方を考えたのですが、ターンバックルで引っ掛けるのが一番簡単で安いな、と、わりと緩みやすいと知りながらターンバックルに決めました。

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こう言う感じ。


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ターンバックルの片側のフックを外して全ネジを付けます。ターンバックルはインチネジが多く、コメリのプロ向け店舗まで行ってインチネジの全ネジを買ってきました。

一回箱を閉じたあと、ネジをつけたところ、ターンバックルごと全ネジが回転するとフックがついてる側が緩んで行き、回し続けると普通に外れることに気づきましてw、ターンバックルの真ん中に余った全ネジを差し込んでターンバックルが回らないようにしました。

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背面板を外した写真です。
このあと閉じて、そういや全ネジ自体の制振の処理してない、と思い出しまた開けて全ネジにダクトテープを巻き付けましたw

もうちょっと真ん中にフックをかけたかったのですが、背面に
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このようにL字アングルを貼っているので、これより中心だと干渉してしまうんですね。
緩みがわかりやすいようにウイングナットにしました。

一応、共振が起こってないかサインウェーブを出してバスレフダクトから耳を澄ませましたところ、そもそも、このスピーカーは70Hzあたりから緩〜くローカットしてる事を思い出しまして、低い音は結構サブウーファーの方が頑張っていて、全ネジで制振したところでそもそも振動してなかったのでしたw
部品代が1300円だったとはいえ、全く意味ないのは悔しいのでローカットを外して鳴らしてみたら、まあまあ効果あるのかな、という感じです。
元々それなりに硬かったのでしょうw


夏に静岡に行く予定ができまして、三島のSPビルダーkenbeさんとオフ会していただける約束を取り付けました。めっちゃ楽しみです。

マジックテープ(面ファスナー)の張り直し

完成させたのち、しばらくしたらベロベロに伸びてしまったマジックテープを貼り直しました。が、見事に再び失敗しましたorz

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マジックテープなんて裏はプラスチックっぽいし一見そんなに伸びるようには見えませんが、ガチでタケノコのようにすくすくと伸びます。前回は両面テープで貼りましたが、今回、強めに張りながら速乾のボンドでガッツリ全面を貼り付ければ、いくら伸びる素材といえど抑えられるだろう、と思っておりましたが、ボンドを剥がして伸びやがりました。乾燥機などで熱を加えるのを前提として裁縫してからいい感じに縮むと言う仕組みなんでしょうか? 一応、ドライヤーなどで熱を加えてみるも既にボンドが乾燥しきっているため意味なし。
もう片方は、事前に重いものを吊り下げ一晩かけて伸ばし切った後、ビンビンに張りまくりながら接着したのでなんとか成功しましたが、片方だけ失敗してるのは痛恨の極みです。
LS3/5Aのマジックテープはもしかするとオーディオ専用伸びない面ファスナー『アコースティックマジックテープ®︎』なのかもしれません。

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ついでにLS3/5Aのもう一つのチャームポイントであるツイーターのガードパッドも真似してミッドに貼りました。RAALのツイーターの標準装備であるスポンジ状の吸音パッドは、高域の上がり方を調整するのと同時に、回折効果の軽減も意図されているのですが、今回のミッドのスポンジも回折効果を若干どうにかしてくれるだろうと言う希望も込められてます。(希望のみ)

ちなみにマジックテープは4mで1700円もしやがります。市内の手芸店を回って探したのですが、細く長いマジックテープは売っていなくてネット通販で買いました。(安いメール便で頼んだら到着まで5日もかかった)
結局のところ、今回の自作スピーカーで最も苦しめられた難所と言うのは、疑う余地もなく「マジックテープ」でしたね。
そもそも、サランネットを作っていないのでマジックテープとか全く必要ないのですが、まぁ、それを言うのは野暮ってもんですよ。マジックテープをベルクロって言うくらい野暮です。

自作スピーカー製作記

特に独自の技術とか入れたわけでもないし、むしろこれからやるDSPでの調整の方が本筋なので、あんまり読んでも目新しいものはないかも知れませんが書きます。

まず、今回作ったLS1/5/2Aについての簡単な解説ですが、BBCモニタースピーカーの意匠を取り込んだ3way4スピーカーのトールボーイです。1/5/2は横/縦/奥行きのサイズ比で、大体20cm/100cm/40cm。容量は約50リットル。ツイーターはアルミリボン、5cmミッドドーム、16cmポリ系コーンのダブルウーハーのバスレフ方式です。これをアクティブモニター用のDSP付き3wayアンプでドライブします。

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※床などが汚いと言う点につきましてはお目溢しいただきますようお願い申し上げます。


おすすめとして提示できるのは見た目のデザインのことですね。
前回の記事のコメント欄(PHILE-WEBコミュニティの投稿)でも書きましたが、デザインには規範や権威と言ったものが備わっていないと、ただ奇異な物にしか映りません。直感的に良いなと思うものも、必ず前身となる評価された似たモデルがあったり、有名デザイナーが描いたと言ったハクが付いていたりして、全く類のないようなものが背景もわからない状態であっても人はいいものだとは思いません。名も無きアマチュアがスピーカー理論に基づいてデザインを導き出しても、結局そのスピーカー理論をよく知っている人にしか有機的な必然性を見出せなく、わかりやすい「アマチュアの自作」と言う印象が強くなります。それは広く周囲に認められれば、やがて権威(ブランド)となって、素晴らしいデザインとして成り立つ事もありますがなかなか難しく、やはり簡単なのは元々ある規範、権威に縋り付く事ですね。シンプルでクラシカルなデザインにするという事です。

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今回の私の自作スピーカーはそれを意識しました。
特に実践したいスピーカー技術というのもないのでデザインを優先し、BBCモニターと言う権威、そして木目と言う規範?を守って作りました。
クラシカルにすると作りやすくなると言うメリットもあって、昔の加工技術は今より高くないのであまり複雑でなく、私のような素人でも現代の道具で時間をかければなんとか作れるワケです。
デメリットはやはり新しいスピーカー理論を取り入れられない事ですが、例えばタイムアライメントなんかですとDSPでディレイを入れれば調整できますし、剛性でしたら外だけ板厚を薄く見せて中はゴテゴテに補強するとか、ある程度は補正できます。
BBCモニターは9mm厚の板が標準的なようで、さすがにそれは薄すぎるので今回、枠となる部分は11mmにして、中に12mmの板を重ねて、さらに金属製のL字アングル(スチールラック用)で補強も入れました。↓

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外枠が11mmと中途半端な板厚なのは、重要である木目を見せるのにリアルプリントと言う、木目の綺麗な5.5mm厚のベニヤを使い、5.5mm厚のMDF板に重ねたのが理由です。普通に突き板(木のシート)を貼っても良かったのですが、結構高いし、難しそうで失敗したらショックが大きそうなので、近所のホムセンで売ってるリアルプリントを使いました。このリアルプリントと言う板は通常のプリント合板よりも木目が美しく、コーティングもしていないので、切り口の面との質感を合わせやすいのが利点です。切り口の面は無垢材でない限り、突き板や木目テープを貼るしかないのですが、最初からコーティングしてあるプリント合板ですと、意外と質感の違いが目立ってしまいます。
リアルプリントは厚みがあるので、角は切り口が見えないように45度角をベルトクランプで合わせるしか無い難点があり、やる前は45度でちゃんと切れば良いだけだろ?とタカを括っていたのですが、やってみたら接着部の隙間が結構目立ってしまい困りました。これは突き板テープを1mmくらいの細さに切って隙間に入れたところ、なんとか近くで見ないとわからないレベルまで目立たなくできました。

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↑実は突き板テープと木目の方向が違うのですが細いのでわかりません。

塗装は、私が一方的に師としているkenbeさんオススメのオスモカラーのノーマルクリアを塗りました。私は待つのが苦手なので塗装が嫌いで嫌いで、憎しみすらあるのですが、今回ばかりは美しく仕上げたいので頼らざるを得ませんでした。(塗装する事は嫌いだけど塗装された物は好き)
オスモカラーは少しお高いですが初心者でも比較的塗りやすい塗料で、なかなか綺麗に仕上がったかと思います。市販のコテバケを使いました。

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よく見るとこんな感じで凹凸が見えます。まあ敵である塗料を、反塗装思想を持つ私がここまで手懐けたのは上出来でしょうw


一番難しかったのはバッフル面で、丸い加工は自在錐で綺麗に出来るのですが、ツイーターと、ウーハーの四角い加工が難点で、当初、ジグソーを治具に当てて正確に切る予定でしたが安物のジグソーだったせいか治具に当てても曲がることが判明し、仕方なくトリマーを買ってなんとか仕上げました。トリマーは数年前に大館の自作ファンのkaneyaさん宅に行った時、角の処理も簡単になる、と勧めていただいてたのですが、ずっとその機能を舐めていて今まで買わずにいました。今回その有用さに気付かされ、もっと早く買っていればと後悔しました。みなさんにもオススメしますw
トリマーがあっても、私はミスをして切り過ぎたりします。ここで話が戻ってくるのですが、デザインをクラシカルにしたのが功を奏します。BBCモニター風の黒いlバッフル面にしたおかげで、パテで切り過ぎたところを埋めて修正できるワケですね。黒ならパテの修正痕もほとんど目立ちません。まあ、バッフル面が木目のBBCモニターもあるのでクラシカルだからと言うワケでもないんですが、何を言いたいかと言うと、自分の能力に合わせて作りやすいデザインに落とし込む事も大事、ということですw

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よく見るとパテで治してます。LS3/5A風マジックテープが貼ったあとに伸びてヨレヨレになってます。これはいずれ貼り直そうかと思ってます。
開口が四角い理由はLS5/1の機構を取り入れた物で、壁に当たる影響が強い中低音の横方向への拡がりを弱める効果を狙いました。

バッフル面と側面を合わせる段階になって、補強に入れたL字アングルがミッドドームのマグネットと干渉することがわかり、L字アングルをグラインダーで削りました。グラインダーは父が釣り道具か何かを加工する際に使ってるみたいなんですが、よくぞ持っててくれたと言う感じでしたね。なかったら補強を諦めてたところでした。グラインダーはそんな高い物でもありませんがなんとなく。


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このように補強が入ってます。青が金属製、黄色は木製です。
ウーハーマグネット裏は金属板とハードロックナットで固定。補強板は無論のこと、板の貼り合わせにもネジを無数に使ってますので、アコースティックな木の響きみたいなのは完全にスポイルしちゃってます。

裏面は普段目につきませんので、こんな感じでテキトーにやってます。
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説明もテキトーでいいでしょう。ホントはそのL字アングル、中に貼るつもりでしたけどなんか干渉したんで外に貼ってます。はい。

見えない所はテキトーで良いやと言う思想は、アメリカで姉の家の改装を手伝った時に学んだ?もので、あっちの家の作り方はDIYが多いこともあって「テキトーに板や部材を合わせて、モールディングで繋ぎ目を隠してはい終了」と言うやり方が多く使われており、モールディング自体にも装飾が施されているおかげでいい感じに見えるのですが、日本とは違う合理性があり、なかなか興味深かったです。アメリカ人の気質もありますが、アメリカは土地が広くホームセンターが馬鹿デカく、さまざまなモールディングの在庫も置けるしDIYも一般的、と言う地政学的?な理由もあったりして、ひとえに「大雑把なだけ」と馬鹿にできない背景があります。(モールディング自体は昔のヨーロッパ建築からあるので、因果関係としては繋がってないのですが、そのせいもあって特にそうなんじゃないかな、と言うレベルの考察)

自作スピーカーも、あまり型にとらわれず、環境に合わせて自分なりのやり方で適切にリソース配分をすれば、いい感じのものが簡単にできるんじゃないかなと思ってます。たまに「自作は工作が好きな人がやる別の趣味だ」なんて言う人がいますがそんな事はないです。オーディオが好きなら誰でもできますので。


今回、シンプルなバスレフ方式にしてますが、VOLTのユニットはPMCがしつこいくらいに導入しているトランスミッションライン方式(共鳴管を吸音材でコントロールする方式)に対応したスペックになっていて、その導入や、あるいはおそらく適するであろうkenbeさんの石田式BHBSの導入もちょっと考えました。が、このLS1/5/2AをドライブするhypexのFA253の下に、それと完全にシンクロするFA502と言うアンプを入れてますので、わざわざ複雑な機構にして低音を伸ばす理由がなく、これまで通りFA502によるサブ(ステレオ)とサブサブ(モノラル)に低音は任せることにしました。まあ、普通のバスレフでもこのVOLTのウーハーは性能が良く、36Hzまで出るので全く遜色ない感じです。なんなら密閉でも良かったのですが、隙間が無いように作る自信がなかったのでw

音質に関しては、まだ調整中なのでまだまだ良くなると思いますが、まず中〜高域がKEF Reference1のときと比べ圧倒的にクリアになったのが解ります。以前から思っていましたが、同軸ユニットはタイムアライメントが合っていないせいか、位相特性はさほど良くない感じがします。ずっと横の壁が近いせいで反射してくる成分が悪くしてるのかな、と思ってましたが指向性が広いはずのミッドドームの方がカッチリ合ってる感じです。そんなに私は耳も良くもないですので、単にf特の面で耳に感じやすい音が強調されているからそのように感じてるだけって事かもしれませんがw 高域に関してはReference1ではスーパーツイーターを加えていたせいでわかりやすく位相特性を悪くしていて、音場が十分に広がってない感じがありましたが、LS1/5/2Aは精緻な立体感を出します。低域は、重厚感ではReference1と同等でありながら芯の鋭いアタックがより出るようになりました。ウーハーとミッドのクロス付近の500Hzのディップが埋められなく、ここはまだ要調整です。おそらく部屋由来。
心配していた板などのビビりや補強用のL字アングルの共鳴などは全くなく安心しました。
Reference1はリファレンス(参照)用としてすぐ出せる所しまっておくことにしてますが、この分ですと早めに手放す方向に行くかもしれません。


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作業風景(すごく汚い)
客間を母は生花工房として、私はスピーカー工場として使い、父は途方に暮れてます。


★追記
KEFのReferenceシリーズがまさに今日、アップデートを発表しましたね。
こうなるとリセールバリューも下がりますし、手放しにくくなりますw ちゃんと鳴らし切る前に売るな!と言う指令と思っておきたいです。
いずれ、ちゃんと場所ができたら、以前よりも良い音で鳴らしたいと思います!

取り急ぎ

DSPでのクロスオーバーなど音の調整は、まだまだ仮の状態ですが一応、完成しました!

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これより近くで見ると結構アラが見えますw マジックテープとか湿気かなんかで伸びたのかヨレヨレになってますw
でもまあ、まだ7作目とかの素人の私が作ったにしてはよくできてるのではないでしょうか?
結局1ヶ月もかかりました。今回ユニット代だけでも結構な金額なヤツなので本当に神経の使う作業で、終わりに差し掛かるほど慎重になってしまい、翌日には終わるくらいの作業に5日くらいかけてました。元々、木工とかそれほど好きと言うワケではないのでホントに疲れ果てましたorz

製作の経過を随時書くような事を言いましたが結局、終わってからになってしまいましたね。すみません。やっぱり書く暇があったら進めなきゃって言う心理が働いてしまい、写真も数枚しか撮ってませんw

ファーストインプレですが、ミッドドームが半端ねえ!って感じです。瑞々しさ・空気感が段違い平行棒。RAALリボンツイーターとの相性が意外と良いですね。
ウーハーはまだ要調整な感じですが、反応は良いです。LS5/1のマネしてバッフル面を狭めて指向性を付け、壁に反射する成分を減らす処理をしてますが、効果はよくわかりませんw

細かいお話はまた書きます。。。

諸々のスペック↓
H:100cm W:20cm D:40cm くらい
板厚24mm
容量約50リットル
バスレフ(下は36Hz(-3dB)で調整。)

搭載ユニット
RAAL 70-10D
VOLT VM527
VOLT BM165.1

クロスオーバー
FA253内のDSPで500Hz/4200Hz(48dB/oct)

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10年目の新たな歩み

遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
今年もよろしくおねがい申し上げます。

私は思い立ったら一直線な性格で、計画を立てて実行してる最中は集中してしまってあまり何をやってるのかを説明したりしないキチガイ体質なのですが、今回はメインのスピーカーの入れ替えを計画してると言うことで、実行期間も長いため少し書こうと思います。

思えば私のメインスピーカーの変遷は、趣味としてオーディオをやるようになって10年、ヤマハ HS80M、KEF R300と来て今のKEF REFERENCE 1と、わずか3台になります(サブシステムは除いて)。
2012年の1月11日に入手した初のスピーカーとなるHS80Mは20cmウーハーを備えた2wayブックシェルフのアクティブモニタースピーカーで、ヘッドホンアンプに繋げられてアンプも必要ない安く良い音のものを選んだ結果であり、これが大正解で、本格的にオーディオをやり始めるきっかけとなりました。2年ほど使い、その次のR300(同軸+ウーハーの3way)は、オーディオを趣味にするならパッシブスピーカーだろうと言う自然の流れで導入したもので、HS80Mの良さを低音の豊かさにあるのだと踏んで、低音を比較的下まで鳴らせるそれに目が止まったのでした。低域を得るならばブックシェルフよりトールボーイやフロアスタンドですが、部屋が狭いので大きさは欲張らずブックシェルフが妥当だろうと考えました。R300はわずか1年3ヶ月後に手放しました。解像度はモニタースピーカーほどではないし、やはり低音が思ったように得られなかったのです。この頃はまだHS80Mの低音の秘密がドライバーに合わせたバイアンプ構成にあると言うことを知らなくて、安易に高額なものにすればその問題は解消すると考え、さらに秋田にいて試聴がなかなかできないこともあり、確実に向上が見込め、しばらく買い替えも要らなくなる上位クラスに行こう、となったのでした。
REFERENCE 1導入が2015年で、約7年間の試行錯誤でHS80Mを超える、好みの音に仕上げました。とは言え、今の状態はスーパーツイーターやサブ、サブサブウーハーまで追加したサイボーグみたいな状態で、これを以てKEF REFERENCE 1をちゃんと鳴らしていると言うのはおかしいし、作り手にも失礼と言えます。あくまで私の部屋の中で、私の好む鳴り方にした結果ですので、私自身はREFERENCE 1の音作りを否定している気は毛頭ないのですが、やはり上手いやり方とは言えません。

今回、買い替え衝動に火がついたのは、そういった理由だけではありません。かねてより私はオーディオと部屋のデザインの統一性を重要と考えており、REFERENCE 1も悪くはないのですがイマイチしっくり来てませんでした。
憧れのようなものがあるデザインの傾向というのはあって、ブルックナーが好きなこともあり、朴訥で地味で、それでいて独創性のある雰囲気が好きでした。ヤマハのNS-1 classicsもその好みから入手していて、同県のnakki7氏のところで見たSpendorのSP100でやっぱり良いなと言う意識が強くなり、オーディオショップでATCのSCM100を見てドンピシャ感を得ました。その2製品はいずれもイギリスのブランドで、デザインにはBBCモニターからの伝統が見えます。
ここからいろんな小さな要素が絡まるので箇条書きで上げます。
・Spendor、Harbethはもうワンポイント、アイコニックなアクセントが欲しいのでやっぱりATC。(Graham Audioも良いけど板厚とか周波数レンジが…)
・SCM100は横幅が広く、部屋に置くならサブシステムのホーンシステムやNS-1 classicsの設置を諦めなければならなく、一回り小さいSCM50でもやや大きい。
・ATCはホームユース製品の正規代理店がなくなり、中古もあまり出回っていない。
・そもそも見た目が好きと言うだけの理由で買える値段ではない。
・ちょうどいいタイミングで、ATCのアイコンとも言えるミッドドームの小型のものとそれに合う16cmのウーハーが4個、海外の通販サイトに在庫がある。
・サイズもちょうど良いものができるし自作は決定したが、まんまATCのような黒いバッフル面が凸ってる意匠を真似るのは気が引ける。
・BBCモニターの原点はやはりKEF。KEFのLS5/1や3/5Aの意匠を取り入れた細めのトールボーイに決定。

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参考画像 : Rogers LS3/5A

いくら自作でも、そう易々と好きな音にはできません。そこは対策しております。まずドライバー。ミッドドーム(VM527)とウーハー(BM165.1)はイギリスのVOLTの製品で、これはATCのものに極めて近く、BBCモニターレプリカを手掛けるGraham Audioや、現在のBBCのリファレンスとして使われているPMCのスピーカーにも採用されているマジモンのヤツです。BBCモニターやHS80Mと同じポリ系素材のコーン。ツイーターは今スーパーツイーターとして使っているセルビアのリボン、RAALの70-10Dを流用します。

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※何故かJBL 2226Hの箱で届いた

そして決め手はDSP付きプレートアンプHypexのFA253です。今サブウーファーで使っているFA502の3wayモデルで、サブウーファーとデジタルで完璧にリンクでき、DSPで音作りも自由自在!これをメインのアンプとして導入しました。この際、サブウーファーユニットもスピーカーの側面に移植しようか考えたのですが、制振処理が難しくなりそうなので敢えてやらないことにしました。
アクティブモニタースピーカーのHS80Mから始まって、KEFのリファレンススピーカーを経て、KEFの原点とも言えるBBCモニターを模したアクティブスピーカーに辿りつく、これはわりかし筋の通った歩みなのではないでしょうか? (そこまでHS80Mがお気に入りだったわけでもないのですがw)

まだ作っていないのに気が早いのですが、スピーカーの個体名を既に決めましたw
以前、私はLS3/5Aの3/5をなんとなくサイズ感(バッフル面の横・縦の比)の事かなとぼんやり思っていて、バブル期の598戦争・798戦争とかもなんとなくエンクロージャーサイズの比率かなとか勘違いしてたり、なにかとサイズ感と勘違いします。それを逆に取り入れ、新作をLS1/5/2Aと名付けました。横・縦・奥行きの比率と、アベ/アホのAですw
(ちなみに実際のLS3/5Aは最初の数字が「1→その他、2→エンクロージャーだけ、3→持ち出しできる外向け、4→スタジオ用、5→スタジオも外も両用」と言う区分けの3で、5は5番目のタイプ、Aはバージョン違いと言う感じだそうです。LSはラウドスピーカーの事だと思います。598戦争798戦争は59,800円79,800円ですね。サイズ比だとしたら奥行きが大変なことになりますw)

この買い替えにあたって、愛してやまなかったHegelのアンプには別れを告げました。今後、入力はDDCのMC3+USBからのデジタル信号になり、Hypexのアンプの中で、音量調整、デジタルクロスオーバー、DA変換、増幅が完結するため、アナログ出力しかないHegelのH190は宝の持ち腐れになってしまうのです。


ちなみに……


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あれ? あべさん、アナログ始めたんスか?!

ああ、これね…


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じゃーん!アナログプレイヤーかと思った?残念、Hypexちゃんでした!

ホーンシステムやNS-1 classicsもスピーカーセレクター使ってFA253でドライブするので、スピーカー裏に貼らずラックに設置してます(なので新作は正確にはパッシブ)。スピーカーがクラシカルな見た目になるのでHypexもそれに合わせて偽装しました。こういうの結構好きなんですw タカチのケースは1万円以上しますがこれはハードオフのジャンクでお安く買えます。

REFERENCE 1の方は一線から退き、システムにも繋がず保管になりますが、自作スピーカーの音を調整するためのリファレンスとしていつでも比較できるようにしておきます。
これから出来るだけ作成の経過を写真で撮ろうと思いますが、ガッツリ集中しちゃって撮らない可能性もありますw でも、いつも急いで作ってミスするので出来るだけ時間をかけて作る事を意識したいと思います。

プロフィール

あべ

Author:あべ
DDC:MUTEC MC3+USB
AMP:hypex FA253(x2)+hypex FA502(x2)
SP:RAAL 70-10DAM+VOLT VM527+VOLT BM165.1(x2) / Fostex T90A+Fostex H325+JBL LE85+JBL 2231A+JBL 2231H / Dayton audio ND16FA-6(x8)+Wavecor FR055WA02(x9)/
SW:Dayton Audio LS12-44(2ch)+morel UW1058(x2,mono)
CDP:TEAC PD-H600
HPA:nuforce iconHDP
HP:AKG K601
POWER:KOJO TECHNOLOGYAray MKII

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