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2023年TIASの旅

この歳で夜行バスはもうキツいですね。帰りは連休の最終日でしたので飛行機も夜行バスもバカ高くて、ケチって少しでも安い夜行バスにしたのですが、独立シートでもキツい。キツさは飛行機の国際線のエコノミーと比べるとまあどっこいどっこいってところですが、そっちは上のビジネスクラスを選ぶとなると4倍のお金を払わされますが、夜行バスは飛行機や新幹線に変えてもせいぜい1.5倍ってところですので、ケチらない方が賢いでしょう。
ただ私の場合、鼻詰まりがある時に飛行機に乗ると飛行機頭痛という地獄が出てきます。今回、行きの飛行機でなりかけたので、帰りをバスにして正解だったのかもしれません。飛行機頭痛は副鼻腔がなんちゃらかんちゃらで鼻詰まりで空気圧の調整ができなくなると起こり、目の奥をスプーンで掘り起こしてるような死ぬほどの痛みがきます。鼻詰まりを軽減するためにスーコースーコー必死に鼻息をしてた私は、周りの人から変な人だと思われてたことでしょう。
行楽日和な天気のせいか人出も多く、久々に都会に出た私には、駅での移動もなかなかハードでしたねw
次は車がいいです。


さて、TIASですが、なかなか良い経験になりました。また来年も行きたい!という感じにはなりませんでしたが、いろいろ掴めたので、またいずれ行くことにはなるかもしれません。
毎年行く価値が出てくるのはオーディオ業界に知り合いが多くできてからでしょう。今回はkenbeさんについて行った形でしたので、アキュフェーズの方のお話を聞けましたが、やっぱり懇意の関係者の方から直接お話を聞くのが一番収穫がある気がします。ブースで鳴っている音を聴いて何かを掴めるという方はよほどこういうイベントに慣れてる方では無いかと推測します。まず多くのブースが部屋のせいなのか壁のせいなのか、低音が雑に盛り上がってしまっていて、本来の音が出せてない感じです。芯があり重みもある低音というのはあまり聴けませんでした。ちゃんとしたポジションに座るのも待機してないといけないので、音場や定位感に関する評価も何とも言えません。特定の席だけ1分で交代とか言う感じにできれば良さそうです。
音源もうまいこと聴き慣れてる曲がかかればすぐ機器の能力が分かりますが、なかなかそうも行きませんね。いつも思うのはオーディオマニアが好きなクラシックとクラシック好きが好きなクラシックは乖離がある気がするんですよね。なのでクラシック好きとしては試聴会では敢えて下手なクラシックをかけなくてもポップスとか、なんなら打ち込み系のバッカンバッカンなってるやつの方が機器の性能がよくわかるので断然嬉しいですね。ツイッターなんかでも業界の方がクラシックやジャズばっか鳴らしてる日本のオーディオ業界に苦言を呈していて、多くのツイッタラーが賛同してましたが、私もそれには賛成します。

個々のブランドについてですが、適当な試聴位置でも一番聴ける音で鳴っていたのはヤマハのブースだった気がします。調音パネルのACP2を何枚も使っていて、そのおかげかなと思ったのですが、NS-5000ではいい感じなもののNS-2000Aではまあまあという感じで、スピーカー自体にも何か理由がありそうな気がします。


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LINNの新しいフラグシップスピーカーは興味深いです。4wayで下の2つが完全にサブウーファーユニットでした。あそこまで分厚いゴムエッジのユニットを用いた通常のフロアスタンドスピーカーというのはなかなかないのではないでしょうか。いずれのモデルもダブルウーファーは内蔵アンプでドライブしてますので、最近フラグシップ機でよくあるサブウーファー付きスピーカーのパターンですね。このパターンのスピーカーはなかなかクロスオーバー周波数を公表していないのがもどかしいですね。サブウーファーはピュアじゃないという世間体を気にしてバレないようにしているんでしょうか?w 半パッシブモデルと全アクティブモデルがあるのですが、サブウーファー部のフィルターの違いが気になります。POWER DACシステムとあるのでデジタル処理してるのは確実です。おそらくですが、半パッシブは遅延対策にスロープをなだらかに設定していて、全アクティブは上にディレイを入れてちゃんと合わせているのでしょう。全アクティブの方が低域はスピーディーに感じられそうです。巨大なエンクロージャーを用いず20Hz付近までちゃんと鳴らすには、サブウーファーを使わざるを得ず、サブウーファーの遅延を解消するにはDSPを使わざるを得ないんですね。ですのでDSPとアンプをワンセットにしてしまうのが最終的な答えなんでしょう。それでも半パッシブモデルが存在するのは、あんまりキッチリしすぎるとつまらない音になってしまうからでしょうか。

JBLも小型の2wayアクティブモニターを出展しておりましたが、やはりDSPを入れており低域の再生能力が桁違いです。これにはもう一人ご一緒していたDCアンプマニアさんも驚いておられました。kenbeさんはイコライジングしてるとのことで渋い顔をしておられましたが、個人的にはDSPによるイコライジングはDSPでカットオフを作るのとやってることはあまり変わらないので、ある程度は許容できるのではないかと思ってます。あんまりユニットに無理をさせると歪みが出てくるのですが、アナログでイコライジングするよりはずっと良好になってると思います。

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フューレンのブースでは、オーディオ評論家の麻倉怜士氏と潮晴男氏が2人で作ったレーベルのSACDを実演していて、非常にS/Nの高い明度のある音を鳴らしていたんですが、それに使われていたプレーヤーがアキュフェーズのDP-750で、実はその前に、kenbeさんから所有されてるDP-750のSACDの再生能力をお話しを聞いていたので、これは認めざるを得ない、となってしまいましたね。ピエガやBørresenを擁するようなフューレンが、デザイン面でかなり毛色の違うアキュフェーズのプレーヤーを使うというのは、よほど音への信頼が高いのだなと驚きました。
私も急にSACDプレーヤーが欲しくなったのですが、上の話とも繋がる障害があります。SACDは基本、デジタル出力ができないので、私のように初段からデジタル化しているシステムにはわざわざDA変換されたものをまたAD変換して入れてやらないといけないんです。メーカー独自の伝送システムで送る場合なら大丈夫で、アキュフェーズならHS-LINKというアキュフェーズ同士でしか使えない独自のデジタル伝送ができるのですが、LINNなんかはだいぶ前にディスクプレーヤーを撤退してますので、DP-750とかを買ったあとにLINNのセットが欲しくなった人はかなり悩むでしょうw 私はもうSACDプレーヤーとは決別した上で今のシステムを構築しておりました。
まあ、DSDファイルがあればうちも再生できるので聴くだけなら問題ないのですが、それだと麻倉怜士氏と潮晴男氏が紹介されてたSACDの盤面の塗装による音の違いと言った楽しみ方?には全く参加できないですねw
規格を作ったソニーは早くこの縛りを撤廃してほしいです。

あとはやはり、どこも製品の価格がものすごいことになってます。円安だとどうしようもないんでしょう。こういう時期は、モノが売れないし定評のある機器というのも出てこないので、買ってみたところで話題にもならないし、売る時も値段がつかないし、良いことは無いので大人しくしている方が安全でしょう。逆にみんな買わないおかげでホントの名機が出た時とんでもないプレミア価値がつく可能性もありますが。


翌日は、TIASにも同行していたDCアンプマニアさん宅にお邪魔しました。前回、長野・静岡・kenbeさん宅と旅行に行った際、お誘いをいただいていたのですが、時間がなくてお流れになってしまい、今回叶いました。
伊豆の別荘地とは伺っていたのですが、私のイメージでは別荘地というと高原の森の奥という感じでしたが、森というか山の中に邸宅が並んでいてびっくりしましたw そのおかげか、DCアンプマニアさん邸の中は傾斜を利用した面白い間取りになっていて、オシャレで心地よさそうです。オーディオルームも半地下?ちょい地下?になっていて防音効果が高そうです。固い地面があると低音が抜けなくて部屋の中で跳ね返ってしまう嫌いがありますが、そこもちゃんと処理されているみたいでした。

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DCアンプマニアさんはその名の通りアンプ方面がメインなのですが、主にスピーカーな私は、失礼ながらお先にスピーカーの方から感じたことを述べさせていただきます。
まずオンケンのスピーカーについて、私はホーンスピーカーを自作しているほどなのにほとんど何も知らなくて、金田式アンプの金田明彦氏も使っておられるスピーカーとのことで、木製のホーンの中に砂が詰められてるそうです。↓10月19日の記事でホーンのビリつきにネジ留めで対応してますが、砂を入れとけば良かったのかと後悔しました。(重いと床が抜けそうですが)
私はビンテージ系のホーンで聴いた経験が、ジャズ喫茶ベイシーと、たまゆらの会と、盛岡のオーディオ店と自宅くらいなもんで、いずれもジャズばっかり聴いたものですから、ホーンにはジャズしか合わないというような先入観があったのですが、クラシックも素晴らしいバランスで聴ける音で、覆されました。凄まじいアタック感とよく響く音で、ライブ感がとにかく気持ちいいです。うちはやたらとデッドなのだなとつくづく思い知らされました。試聴にデュランデュランの新しめの曲や、ヴェルディのオテロ(カラヤンVPO)の冒頭も流したのですが、迫力が凄い。
金田明彦氏をとても尊敬してらっしゃる感じなのに、たまゆらの会のスピーカーの音とは若干、方向性が違うのも感じました。DCアンプマニアさんの方が中高域の強調が少なくワイルド感が控えめで、あらゆる音源を破綻なく出せる感じです。
アンプの感想ですが、全く初心者のような感想になるんですが、無帰還シングル300Bですので8W弱でこんなに鳴るのかい、と言うのがまず来ますw うちのメインは上から100W、250W、250W、500W、1000Wで鳴らしてるのにあんなにデッドなのは笑っちゃいますね。
kenbeさんのBHBRに入れたローサーも聴かせていただきました。低音の安定感はこちらの方が上で、サブウーファーとして私も持っていたFOSTEXのCW250Aを繋いでましたが、こんなに綺麗につながるサブウーファーだったかな、と不思議に思いました。部屋のお陰もあると思いますが、もともとの石田式BHBRの低域が上手く鳴っていて、CW250Aの合わせ易い12dB/octの曲線が加わって、あんなに安定感のある低域になったんじゃないかと推測します。スピード感に関してはFOSTEXに引きずられてる感じですが、まずまず良い感じ。オンケンのスーパーツイーターも付いていたのでローサーの高域がどこまで出ているのかはわかりませんでしたが、ハンドメイド感あふれるユニットの造りの割には凄くまともな音が出ていたように思います。さすが高級品です。フルレンジの定位の良さみたいなのは感じられませんでしたが……
人生初のオープンリールデッキも体験しました。スピーカーも音源も聴き慣れないので、あんまり違いというのは実感できませんでしたw

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お昼は修善寺のうなぎと湯葉をご馳走になりました。景色も良くて酒も入って、最高のお昼でした。三島・伊豆の山の形や大きさは秋田には全くない感じなのでホント珍しいですね。あの周辺は自然も豊かで都会も近く、近所のお店も結構栄えてて、秋田の5億倍くらい暮らしやすそうです。
kenbeさん宅にも寄りたかったですが、お世話になりすぎでしたので、速攻で東京に戻って短い時間でしたがもうちょいTIASを見てきました。(LINNとピエガのブースはその時見ました。)

浅草の神谷バーの話を書き忘れましたが、ちょっと長いのでここら辺で。
ホントいい旅でした。kenbeさんとDCアンプマニアさんには是非とも恩返しをしたいので、無理をしてでも秋田に来てほしいですw
DCアンプマニアさんに紹介していただいた秋田のお仲間の方にも是非お会いしたい。このブログをご覧でしたらコメント欄にでもご連絡ください。
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SW:Dayton Audio LS12-44(2ch)+morel UW1058(x2,mono)
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