2021/06/19
hypex製 プレートアンプの紹介
私はFA502と言う製品を使っていて、これはメチャおすすめで以前から詳細な記事にまとめようとは思っていたのですが、なにぶん多機能な製品ですので使いこなせてない部分がだいぶあり、できておりませんでした。今回、まとめを書くことを決意したのは、いつも読んでる音工房Zさんのメールマガジンで先日、サブウーファーについての記事が流されたのがきっかけです。音工房Zさんはいわゆるガレージブランドと言う分類なのだと思うのですが、スピーカーの研究、開発、評価などをネット上でかなりオープンな形で展開しつつ販売しているメーカーさんで、自作の際の工具の使い方などを動画でも説明していたりと、とても親切なメーカーさんです。
そのさまざまな情報を配信するメールマガジンで、サブウーファーの使い方に関して、ハイエンドサブウーファーや欧米のDIYファンの中で主流となりつつあるDSP付きプレートアンプ、これの話題に触れていないことに気づき、酒を飲んで酔っていたこともあり「DSP付き〜の紹介もしてくださいな」と言う趣旨のメールをしてしまいました。
まあそれで、自分が紹介していないのに、他の人に紹介させようとするのは変だな、と思い今回、緊急紹介記事を書きました。
今回は製品だけの紹介で、いずれ「DSPを用いたサブウーファーのセッティング」と言った運用方法についての紹介記事も書きたいかなと思ってます。(できればDayton Audio製のDSP付きプレートアンプも紹介したいけど、持ってないのでw)
長々と文章にするのは苦手なので箇条書きで要点だけ書きます。
●デジタルで、チャンデバ、イコライジング、ディレイなどを行えるデジタルサウンドプロセッサー(DSP)付きの1〜3way出力デジタルアンプ。
●デジタルアンプ部はマランツ、TEAC、マークレビンソン、B&W、逢瀬など、そうそうたる採用歴のhypex NCOREを搭載!
●通常はアクティブスピーカーやサブウーファーの背面につけるものだが、分解してケースに入れるもよし、そのまま置くもよし(感電注意)。
●価格は日本円で約4万(出力の低い物)〜8万(出力の高い物)。ステレオ使用なら2つ必要。
●要ウィンドウズPC
■ハード面の説明

●電源はスイッチング電源で、日本のコンセントもOK。
●1〜3wayのラインナップがあり、BTL接続も可なので2wayがおすすめ。3wayは3つ目がツイーター用の低出力アンプなので汎用性は低めかも。
●DSP部分はモノラル入力が原則。2way=2出力なのでこれ1台でもステレオ出力ができるのかな?と思わるかもしれないが、入力端子のあるDSP部分はあくまでもモノラル信号を〜wayに分けると言う仕様なので、DSPを無視してアンプ部に直接繋がないとできない。
●2wayのものが2つあれば、DSP部とアンプ部を繋ぐリボンケーブルを合体改造し(部分的に繋ぎ変える)、500Wx2 + 1000Wx1のようにステレオ+モノラルBTL運用も可能。
●デジタル入力(光、同軸、AES)の場合、デジタルで音量調整できる機器はあまりないのでリモコンが必要。サブウーファーなど一部の帯域だけを鳴らす場合はアナログでプリアウトから繋がないと音量調整が面倒です。
●スタジオ仕様のラインレベルを想定してるためか、通常の家庭用ラインレベルの2.18vrmsだと音量がとれない。説明書のGain jumper (advanced)の項目を参照し、DSP基盤の物凄く小さい端子をはんだ付けしなければいけない。(フィルターデザインアプリの設定画面にinput gain configurationと言う、関連がありそうな項目がありますが、どうも調べた限り、全く動作しない設定なようで、おそらくOEM製品ではそこの表示が固定されていて、それによってユーザーに適切な入力レベルを知らせるためのものかと)

●ファン付きのものは通常は回らず、温度が上がると全速回転しだします。目安としては1000Wの出力があるFA502を室温30℃で、30分ほど低音バリバリの曲を大音量で聴いてると回り出すくらいです。回転音の音量は風量全開のエアコンほどです。
●前回の記事にありますように、プレートから外してアルミのケースに移すとファンの問題は劇的に改善され、室温30℃で6時間聴いても一向にファンが回転しないレベルになります。内部の排熱処理が甘いのが原因ですので、内部に放熱のヒートシンクなど貼り付けるだけでも効果はありそうです。
●PCにはUSB繋ぎっぱなしが便利。通常プレートアンプ上部のLEDインジケータが見えなくてセッティングがわからないため、PCのスタートアップにフィルターデザインアプリを設定し、デスクトップに常駐させ、音量や入力、フィルターのセッティングなどを見れるようにしている。
●ちなみにUSBで音声信号は送れません。
●スピーカー側に取り付ける場合、プレートアンプ自体には隙間が所々あるので、スピーカーの空気室とは別の空間を設ける必要があります。
■ソフト面の説明

●フィルターデザインアプリはダウンロードすれば無料。通販サイトで1ユーロとなっているのはおそらく物理メディア版。
●DSPのフィルターのセッティングを3つ記憶させることができ、ボタンで切り替えが可。スピーカーセレクターと組み合わせて、セッティングごとに違うスピーカーと組み合わせて使うと無敵。
●フィルターデザインはグラフィックイコライザーではなく、パラメトリックイコライザーで、「〜Hzの部分を〜dB上げる下げる」ではなく、普通のハイパス、ローパス、バンドパスなどのアナログ回路でやれることをデジタルで自由にやれる感じです。若干難易度はあるが自由度は圧倒的に高い。
●DSPのフィルターデザインアプリは機能上は問題ないがプログラム的に完成度は高くなく、時々バグります。何度も調整→設定を繰り返すとエラーを吐いたり、データをロードしてる最中に他の項目をいじったりすると操作が効かなくなったりします。不便を感じるほどでもないですので、機器全体の完成度から考えると全く許容範囲内かと。
■よくわかってない点
●デジタル入力だとやたら音量がでかい。上記のスタジオ/家庭のラインレベルの問題を加味しても、何故かアナログ入力よりデジタルの方が同じVol設定でも音がデカいです。もしかしたらうちのDACプリに問題があるのかも? なんちゃってバランス回路がどうのこうのってやつ?
●ソフトクリップ機能。スピーカーのスペックに合わせて設定したところ、低音盛り盛りの音源で、突如大音量ノイズ→スピーカーユニット破壊と言うのを2回経験し、現在は設定しないで使っているが全く問題ない。そもそも設定の仕方を間違っていたのかもしれない。
●フィルターデザインアプリはマイクとUSBオーディオインターフェイスなどがあるとf特やインパルス応答など測れる模様。うちの計測マイク(OMNIMIC V2)は直でPCに繋ぐタイプなためか色々設定しても計測できず?、アプリを手動で切り替えてf特とフィルターを比べてます。同じアプリ上でやると、位相合わせなどがとても便利な模様。
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2022/03/04追記 オーディオインターフェイスがなくてもOMNIMIC v2でできましたw 詳しくは2022年3月4日の記事で書いてます!
●購入はオランダの公式(DIYclassD.com)から。説明書は企業向けサイト(Hypex.nl)側にも。
●マランツやTEACなどに搭載されている製品は企業向けサイト(Hypex.nl)で見れるが個人では買えない。個人向けの通販サイト(DIYclassD.com)では、プレートアンプと、一部のアンプモジュールなどが売っている。プレートアンプには企業向けでしか売っていないアンプモジュールが搭載されているので、最初からスイッチング電源の小型アンプを自作したいと言う人にはラインナップの少ないアンプモジュールを買うよりプレートアンプを買って分解してケースに入れる方がお得かと。(トランス電源で作りたい場合、プレートアンプ搭載のアンプモジュールはスイッチング電源と一体化しているので不可っぽい)
●リモコン&受信機があった方が便利です。
●hypexロゴのステッカーも安いので買っとくと吉。
●PCに繋ぐUSBケーブルはUSB2.0 mini-Bです。micro-Bではないので注意。ハードオフのジャンクコーナーなどに大量に転がってます。
なんだか全体的に買うの前提の人向けの説明になっちゃってますね…
まあそれだけオススメってことです。
他にアドバイスや、要修正箇所等ありましたらお知らせ下さい。
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